アメリカからのレポート(WCO 10周年記念)
アメリカ ⁄ ワールドシビックオーケストラ
Mission Statement:
“音楽は世界に魂を与え、精神に翼を与える。
そして想像力に高揚を授けあらゆる物に生命を授ける” プラト
ワールドシビックオーケストラは音楽の持つ普遍性により世界の架け橋となるべく事を銘とします。現在、世界の各地で顕著となってきた各々の文化、人種、宗教などの違いから生ずる衝突や葛藤を人類共通語である音楽の琴線を持ってより高次元の人間性をめざします。
ワールドシビックオーケストラは上記のミッションのもとに、2010年6月20日にニューヨーク市のカーネギーホールにて、第1回記念コンサートを行いました。ヨーロッパ、南アメリカ、日本、韓国、中国、又アメリカ全州からのオーケストラ団員86名、コーラス団員117名、総勢203名が舞台の上に上がり、演奏いたしました。予想を超えた観客数(約1,400名)又観客からの反響に団員全員が言葉に言い表せない満足感を得た物となりました。それはオーケストラのユニーク性と― 団員の90%がアマチュアの音楽家達、そしてWCOの考えに賛同して参加したプロの音楽家達(フィラデルフィアオーケストラのメンバー、デザラスカルテットのメンバー、ジュリヤード音楽院の学生達)と音楽を通じて作り上げた一体感が観客そして団員にも素晴らしい感動を与えたのは確かです。
2011年9月25日にリンカーンセンターのアリスタリーホールで行いました第2回目のコンサートでは日本での東北大震災の追悼の意を表して、音楽監督でありますビンセント コウが滝廉太郎が福島県の会津を舞台にして作曲した”荒城の月“を編曲した曲を演奏し満員の観客と団員が共に被害に遭った方々への思いを深くいたしました。
2013年6月9日の第3回コンサートでは、ヴァイオリン製作者の中澤宗之氏が陸前高田市の一本松と、瓦礫の中から選んだ材料で作り上げたヴァイオリンを使い、ニューヨークのリンカーンセンターでのプログラムの一部として演奏しました。これは中澤氏が発足した“千の音色でつなぐ絆”プロジェクトの一環で、WCOとしてこのプロジェクトに参加出来ることを嬉しく、また誇りに思いました。
2014年に初めての海外公演を台湾、佐賀で行いました。台湾では台北市の企業のスポンサー、佐賀市では佐賀市役所、佐賀国際交流協会の協力を得てWCOからのメッセージを特に近年世界各地で見られる緊張感に対して、文化の違う18カ国から集まった90名の団員達と、音楽を通じて新しい友情をアジア諸国の人々と分かち合える機会となりました。
5周年記念コンサートはニューヨークのリンカーンセンター、アリスターホールで17カ国からの82名のメンバーで、アメリカならではのジャズ、ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」、ブラームス「交響曲第3番」を演奏しました。
2017年はプラハで2回目となる海外公演を行いました。11カ国から80名の団員と共に歴史あるドボルザークホールで満席の観客の前で、チェコ出身の作曲家の曲を初演、ブルガリアのフォークミュージック、ドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」、シベリウス「交響曲第1番」を、音楽には国境がなく、音楽の力の素晴らしさをを再認識しながら演奏する機会に恵まれました。
2018年のコンサートは本拠地でありますニューヨーク、リンカーンセンターのアリスタリーホールでおこないました。初めてケニヤ、アルゼンチンからのメンバーを迎い入れ、5大陸からの80名の演奏家達とステージに立ち、デファイヤのエルアモール、ドビュッシー、ハープと弦楽のためのダンス、ベルリオーズ「幻想交響曲」を演奏しました。
2019年は2018年と同じアリスタリーホールで15ヶ国から音楽に対してとても熱心で真摯な78名のメンバーがワグナーの「神々のたそがれ」に挑戦しました。WCOのMissionに沿った、そしてオーケストラとしてひとつの枠を超えた実感のあるコンサートとなりました。
WCO創立10周年、東京オリンピック開催を記念して計画していました2020年京都コンサートがCOVID-19パンデミックの為キャンセルとなりました。今の時点ではコンサートの予定さえ立てられない状況ですが、それでも10周年を記念してビデオを作成しました。今はメンバーが集って演奏会は出来ませんが、音楽はこの困難な時も私達を繋いでくれています。