「中壢ユースオーケストラ」創立10周年コンサート

台湾からのレポート

 2005年、台湾のアマオケ関係者が初めて「第33回全国アマチュアオーケストラフェスティバル・愛知万博記念名古屋大会(以下JAOフェスティバル)」に参加しました。その後、2008年に千葉県市川市で行われた「第24回トヨタ青少年オーケストラキャンプ(以下TYOC)」開催中に行われた東アジア会議で、東アジアの代表者として日本の代表者との交流を深め、翌2009年に浜松市で行われた第25回TYOCから毎年、台湾のユースメンバーが日本やアジアの若者たちと共に音楽を研鑽する機会を得ています。これがひとつのきっかけになり、2010年に台湾北部にある桃園市に「中壢ユースオーケストラ」が設立されました。その後、2011年に福岡市で行われた「第39回JAOフェスティバル(第1回アジアオーケストラフェスティバル)」、2012年に清水市で行われた「第40回JAOフェスティバル(世界オーケストラフェスティバル)」にもユースメンバーが参加しています。

 先月、この中壢ユースオーケストラの創立10周年コンサートを開き、その際に、過去TYOCや2011年と2012年のJAOフェスティバルに参加した歴代のOB,OGたちも戻ってきて一緒に演奏しました。芸大や音大に進んだメンバー以外にも、ほとんどのメンバーが今もオーケストラ活動を続けています。また、ドイツに留学し、ドイツのオーケストラで活躍しているメンバーもいます。また、2009年にTYOCに参加したメンバーのひとりは指導者となり、2019年からJAOフェスティバルの社会人オーケストラに参加しています。日本でのTYOCやJAOフェスティバルへの参加は、その後の彼らの人生の歩み方に大きな影響を与えていることは確かです。

 このような日台の絆の他にも、2018年に中壢ユースオーケストラが韓国公演を行った際には、TYOCに参加した日本、韓国、シンガポールのメンバーがオケと共に演奏をし、改めて音楽の素晴らしさを実感させられました。
 コロナが一日も早く収束し、またアジアにおけるオーケストラでの絆を更に深めていければと願っています。