「第53回全国アマチュアオーケストラフェスティバル福井大会」(JAO主催)開催レポート
2025年9月12日(金)~14日(日)
日本/福井県立音楽堂 ハーモニーホールふくい
◆オーケストラA
〈指揮〉坂入 健司郎
〈コンサートマスター〉石上 真由子
〈曲目〉リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」
◆オーケストラB
〈指揮〉井﨑 正浩
〈コンサートマスター〉ギオルギ・バブアゼ
〈パイプオルガン〉大平 健介
〈曲目〉サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」
 2025年9月12日(金)~14日(日)、福井県福井市の「福井県立音楽堂 ハーモニーホールふくい」に於いて、「第53回全国アマチュアオーケストラフェスティバル福井大会」(JAO主催)が開催されました。
 海外からは、アジアでは中国(北京、上海)、韓国、シンガポール、台湾から10名、ドイツのBDLOから9名が参加し、日本人参加者とともに二つの合同オーケストラを編成しました。
 アマチュアオーケストラの祭典、福井の熱き4日間のレポートです。
9月11日 「海外メンバー参集、ようこそ福井へ!」
 溽暑蒸濁の夏が続いた2025年、開会式前日の9月11日には19名の海外参加者たちが続々と福井市に到着し、18時より「ウェルカム・パーティー」が開催されました。
 NPO-WFAOとJAOの両理事長が歓迎の挨拶を述べた後、盛大な乾杯でフェスティバルの成功を祈念しました。
9月12日 「ホスト・オーケストラの見事な運営により、フェスティバル開幕!」
 12日の午前中は、海外参加者全員で福井の古刹「永平寺」を訪ねました。「日本で一番厳しい修行の場」といわれる深淵な佇まいは、海外メンバーにも大きな印象を残したように感じられました。
 昼食では郷土食の「越前そば」をいただき、いよいよ開会式へと向かいます。
JAOフェスティバルは、日本全国を巡回して年一回開催され、地元のオーケストラがホスト役として運営をこなします。今回のホスト役である「福井交響楽団」は、細部にまで心のこもった気配りが感じられる見事な運営手腕で、海外参加者からも賞讃と感謝の声が多く届けられました。
会場となった「ハーモニーホールふくい」は、「世界の美しいコンサート・ホール 25選」として日本で唯一紹介された名ホールで、今回のオルガニスト、大平健介氏も絶賛する見事なオルガンが備えられています。
日本全国、そして世界からの参加者あわせて約250名が一堂に会し、三日間のフェスティバルが幕を開けました。
今回はA・B二つのオーケストラが編成されました。ホールでは合奏練習が行われ、その間もう一つのオーケストラは弦楽器と管打楽器に分かれてのセクション練習です。両オーケストラとも指揮者とゲスト・コンサートマスターの的確な指導を受け、刻々とサウンドがまとまっていきました。
充実した練習の後は、恒例の「パート別懇親会」。同じパート同士では会話もはずみ、海外参加者との交流もより一層深まりました。出会いの歓び、そして明日への期待を語り合い、福井の夜は更けていきました。
9月13日 「練習漬けの一日、オーケストラの団結はMax!」
 大会二日目は練習漬けの一日です。昨日同様、ホールでの全体練習と、弦・管打に分かれてのセクション練習とが併行して行われました。
 丸一日たっぷりと用意されていた練習時間もあっという間に過ぎてしまう、そう強く感じるほど充実した楽しい練習が繰り広げられました。そして両オーケストラにはすでに、それぞれの特色が表れてきています。
 Bオーケストラを指揮した井﨑指揮者が最後に呟いた「楽しい練習の時間が終わっちゃったね…」という言葉が心に響きました。
 18時30分からの「公式レセプション」では、JAO総裁の高円宮妃久子殿下から激励のお言葉を賜り、参加者の士気は大いに鼓舞されました。
 福井県のマスコットキャラクター「はぴりゅう」も登場して会は最高潮を迎え、いよいよ明日の演奏会への期待が高まります。
9月14日 「感動のフィナーレ、参加者全員が完全燃焼!」
 演奏会には高円宮妃久子殿下のご臨席も賜り、会場は大きな熱気に包まれていました。
 最初に登場したAオーケストラは、若手の指揮者とゲスト・コンサートマスターに導かれ、大胆でエネルギッシュなオーケストラと、繊細で語りかけるようなヴァイオリン・ソロに魅了されました。
続くBオーケストラは、熟練の指揮者とゲスト・コンサートマスターを迎え、重厚なシンフォニーを響かせました。指揮者とオルガニストが会場に前日入りして調整したオルガン・サウンドは、ホール全体を神々しさで包み込み、賞賛の拍手はいつやむとなく鳴り続きました。
演奏後の舞台裏で、互いの演奏を讃え感謝の気持ちを伝え合う光景には、国籍や年齢、性別の違いなどは全く感じられません。この活動を続けていてよかったと、心から思える瞬間です。
 明日からはまた日常の日々が始まります。
 奇しくも坂入指揮者がレセプションでスピーチした「アマチュアオーケストラとは何なのでしょうか?」という大きな命題に、NPO-WFAOは今後も真摯に取り組み続けたいと思います。
最後になりましたが、ご協力いただきました関係各位、福井交響楽団の皆様、そして参加してくれた海外メンバーの皆さんに、心から感謝申し上げます。



 
			
























