「第52回全国アマチュアオーケストラフェスティバル東京大会」開催レポート〈JAO主催事業〉

2024年8月2日(金)~4日(日)
日本/東京芸術劇場 コンサートホール

◆オーケストラA
〈指揮〉田部井 剛
〈コンサートマスター〉佐久間 聡一
〈曲目〉
 ラヴェル:管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」
 ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」組曲(1919年版)

◆オーケストラB
〈指揮〉山下 一史
〈コンサートマスター〉大宮 臨太郎
〈曲目〉マーラー:交響曲第5番

 日本国内の連盟組織JAOの主催で「全国アマチュアオーケストラフェスティバル」が、毎年日本の各地を巡って開催されていますが、第52回を迎える今回の会場は首都・東京「東京芸術劇場」でした。
 今回の東京大会は悲願の大会でもありました。もともと東京大会は、2020年6月に「東京オリンピック」にあわせて開催予定で準備が進められていましたが、2月からのコロナ禍によりやむなく中止に追い込まれました。NPO-WFAOも、大規模な「世界フォーラムを」の実施に向けて同時に準備を進めていましたが、世界の仲間に中止を宣言するという苦い経験があります。
 そして今回、4年越しの準備を経て実現された東京大会は、海外からも多くの参加者が集い、都心での華やかで盛大な大会となりました。

 今回の参加者は総勢290名。海外からは、ドイツ(BDLO)から10名、中国・北京から1名、中国・上海から2名、韓国から2名、シンガポールから2名、台湾から2名が演奏に参加しました。
 開会に先立ち、1日の夜は海外参加者を迎えて「ウェルカム・パーティー」が開催され、初顔合わせのメンバーは互いの健闘を祈って乾杯しました。

 2日からはA・B二つのオーケストラに分かれて練習が始まり、指揮者・ゲストコンサートマスターの先生方に牽引され、時間が経つにつれて着実に一体感が高まり、充実した指導を受けることができました。

 2日の夜はパート別で懇親会が開催され、パート内での交流がいっそう深まり結束が強まりました。
 また3日の夜には全体での「公式レセプション」がホテルメトロポリタンで開催され、盛大な乾杯で明日の演奏会への志気は最高潮に高まりました。

 4日はいよいよ演奏会の開幕。A・Bどちらのオーケストラも指揮者、ゲストコンサートマスター、オーケストラとの結束力が固く、全員が一体となった見事な演奏を披露し、客席からは惜しみない拍手が鳴りやむことなく続きました。
 会場では互いの健闘を讃え来年の再開を約束する晴れやかな姿とともに、3日間にわたるフェスティバル東京大会は幕を閉じました。

※韓国の参加者から、フェスティバル参加の感想が届きましたので、以下にその一部をご紹介します。
「感動的な曲、参加者の情熱、心強いサポートの3拍子が合わさり、最高の経験ができました。」
「一緒に演奏に参加した参加者たちの情熱が特に印象的でした。地球の反対側のドイツを含む世界各国から多くの人々が来ました。そして、日本中から音楽に強い情熱を持った人々が東京に集まりました。私たちは国籍も出身も職業も違います。言葉もうまく通じません。しかし私たちを一つにまとめる力は、まさに「音楽」そのものです。」
「フェスティバルが与える意味が何かを考えてみました。出会うことがなかった人々が共通の目的の下で出会いながら生じる、新しい形態の相乗効果。短い準備期間と自発性という特性で、みんなが集中してエネルギーのある音楽を作り出す。そしてこの激しい感動を大切に、それぞれの日常に戻って音楽活動を続けていくこと。私が今回のフェスティバルで感じた感情が、まさにこのような感動でした。」