認定NPO法人世界アマチュアオーケストラ連盟とは

 認定NPO法人世界アマチュアオーケストラ連盟(以下認定NPO法人WFAO )は、世界アマチュアオーケストラ連盟(以下WFAO)から派生して、2007年12月に設立されました。
 WFAOは、1991年に設立された世界青少年オーケストラ協議会(WYOC)が端緒となり1998年に青少年、社会人を含む世界のアマチュアオーケストラの交流と発展のために創立され、各国のアマチュアオーケストラやアマチュアオーケストラ連盟を会員として活動を続けています。
 認定NPO法人WFAOは、WFAOの活動目的を組織的に支援するとともに、WFAO加盟団体を含む世界各国のアマチュアオーケストラの活動と交流を幅広く支援する組織として活動を開始し、日本に事務局があります。
 アマチュアオーケストラが活発で先進的な活動を展開している国や地域との交流をはじめ、さらに今後発展が期待されるアジア、アフリカ等の地域に対して連帯の輪を広げ、オーケストラ活動を通じて国際社会に寄与するために、グローバルな活動をしていきたいと思っております。
 また、単に個人の楽しみとしての音楽だけでなく、青少年教育や社会教育、生涯教育としてオーケストラ活動をとらえ、その国の実情にあった支援活動をしてまいります。
 オーケストラ相互の国際交流においては、言語の壁を越える「音楽」という共通語を通じて世界中の人々が共通体験を分かち合うことができます。どのような国、人種、言語、伝統、習慣であっても、モーツァルトやベートーベンの楽譜は変わりません。多数の人間の共同芸術活動として、世界中の人々が共通理解できるテキストがすでに用意されています。この特性を生かし、認定NPO法人WFAOはオーケストラ活動を通じて国や民族を超えた相互理解による世界の平和貢献に役立つ活動をめざしてまいります。

ミッション・ステートメント

NPO-WFAOは、アマチュアオーケストラ活動の支援を通じて世界の文化の相互理解を深め、人智を尽くした恒久平和への祈りを謳いあげます。

オーケストラは社会と文化の懸け橋

オーケストラは、社会と人々が長い年月をかけて創りあげた夢の結晶です。
私たちはオーケストラ文化の共有から、世界に通じる次世代文化の創造を模索します。

世界の仲間たちと心の共鳴を

愛好者が集うアマチュアオーケストラ活動には、年齢や性別、地域や実力の制約はありません。
言葉の壁があっても、音楽があれば世界の仲間たちと心が響きあえると、私たちは信じています。

互いの文化の理解と尊重

互いの文化を理解し、尊重しあえるフラットな場を提供し、指導者による意見交換と、次世代を担う青少年の育成に貢献できることを目指しています。

地球が交響する日を夢みて

オーケストラは、楽器と楽譜があれば世界中の人と演奏ができる共同体です。
人種・民族・国境を越えて、人々が集い奏でる音が地球を満たして交響する日を私たちは夢みています。

私たちオーケストラを愛し活動を広めようとする者は、この普及活動が、あらゆる障害を乗り越え、人類愛や世界平和に寄与する最善の手段であると信じます。

主な活動内容

  • ◆各国のアマチュアオーケストラとの国際交流事業として、合同演奏会の開催を支援する。
  • ◆各国のアマチュアオーケストラの代表者や指導者が集い音楽活動の向上と発展拡大に関する意見交換や討議を行う。
  • ◆アジア地域の青少年を招待し研修やコンサートを共に経験させることにより、アジアの若者の絆を深める事業を実施する。
  • ◆(公社)日本アマチュアオーケストラ連盟主催「全国アマチュアオーケストラフェスティバル」へアジアのアマチュアオーケストラメンバーを招待し、アジア地域の連帯を深める。
  • ◆発展途上国でのオーケストラ活動を活発にするための支援活動を実施する。
  • ◆インターネット等を利用して世界のアマチュアオーケストラの情報を発信する。

認定NPO法人世界アマチュアオーケストラ連盟設立までの沿革

現在の組織にいたるまで下記のような経緯と実績がありました。

19913月

世界青少年オーケストラ協議会(WYOC)を9カ国で設立(東京)
世界青少年オーケストラ協議会(WYOC)共同メッセージ

19923月

第2回協議会を15カ国で開催(名古屋)
協議会はこの後も毎年開催

19933月

世界青少年オーケストラフェスティバルを15カ国で開催(名古屋)

19968月

国際アマチュアオーケストラフェスティバルin東京を17カ国で開催

19988月

世界青少年オーケストラ協議会を社会人も含む世界アマチュアオーケストラ連盟(現在のWFAO)に改組(金沢)

19999月

世界アマチュアオーケストラ連盟理事会を8カ国で開催(ベネズエラ)

20018月

国際アマチュアオーケストラフェスティバル名古屋を14カ国で開催

20049月

世界アマチュアオーケストラ連盟総会を18カ国で開催(オランダ)

20058月

愛知万博記念第33回全国アマチュアオーケストラフェスティバルを12カ国で開催(名古屋)

20075月

中国上海市においてWFAO総会開催 NPO設立への検討

200712月
特定非営利活動法人世界アマチュアオーケストラ連盟(略称NPO WFAO)設立

20095月
NPO WFAOが認定NPO法人として国税庁より認定を受ける

20145月
愛知県より認定NPO法人として認定を受ける

世界青少年オーケストラ協議会(WYOC)共同メッセージ

1991年3月30日 東京

この度、日本、イギリス、ノルウェー、ベルギー、ドイツ、オーストリア、アメリカ、シンガポール、中国の青少年オーケストラの指導者代表は、青少年オーケストラの活動をさらに拡大発展させるため、情報交換と交流を目的に「世界青少年オーケストラ協議会」を発足させた。これは、日本アマチュアオーケストラ連盟が従来より交流のある各国の青少年オーケストラに呼びかけ一堂に会し、その必要性をお互いに認識した結果実現されたものである。
我々は、それぞれの国や地域において、音楽活動を通じ青少年の健全な成長に努力を傾けてきた。ことにオーケストラは、クラシック音楽そのものの美である情熱、典雅、繊細、豪壮、といったあらゆる人間感性の表出が可能であると同時に、それ自体が一つのコミュニティであり、厳しい自己鍛錬と柔らかな協調精神の当地に場として青少年教育にもっともふさわしい機能や形態を有するものである。
しかし、現代社会は多様化の時代であり、一つの国や民族ですらさまざまな価値観がひしめきあっているのが実情である。その上、緊張の続く国際情勢下にあって、青少年の精神的な成長を育もうとする社会的要求や文化活動に対する必要性は声高に叫ばれてはいるものの、果たしてその実効性や機能はどの国においても従全に働いているのであろうか。
こうした背景の中で私たち青少年音楽活動の指導者は、単に技術的にすぐれた青少年を選別したり、才能の面だけに注目せず、より深く幅広い音楽観や意欲を持たせることを第一の目的にしたい。なぜならその目的こそ、「音楽の本質や価値について考えたり感動したりすることは、宇宙や人間の存在におけるアイデンティティについて感じ洞察することに他ならないことである」と教えるもっともよい方法である。
21世紀を間近にひかえた世紀末のこのような状況の中で、私たちはこれからも個々の努力を各国において続けていくと同時に、視野を地球規模に広げ互いの活動や理念を敬意を持って学び合い、新たなネットワークを創造していかねばならない。それは新しい友情の始まりであると同時に、新世紀の文化活動、青少年活動の展望である。
ここに「世界青少年オーケストラ協議会」は、世界各国の青少年や指導者が交流する場として1993年の「世界青少年オーケストラフェスティバル」日本開催(予定、名古屋)に向けて努力することを決議する。