石渡 小夏
2026年8月21日(金)- Session 1
心豊かな社会を創る、オーケストラの機能と社会性
石渡 小夏
Cao Xiaoxia
上海城市交響楽団 音楽団長・マネージャー
Profile
石渡 小夏氏は上海を拠点に長年活動する日中両籍の音楽家です。著名指揮者・曹鵬氏の長女として音楽的伝統を受け継ぎながら、「音楽を通じて社会に温かさを届ける」ことを使命に、地域に根ざした公益活動を牽引しています。 中国初のアマチュア交響楽団である上海城市交響楽団の運営責任者として、芸術活動と社会貢献を両立させる独自のモデルを確立されました。特に、2008年に創設した自閉症児支援プロジェクト「Angel Music Salon」は、音楽を通じて子どもたちの心を開く革新的な取り組みとして高く評価されています。
その功績により、2018年には上海市政府が外国人に授与する最高栄誉「白玉蘭記念賞」を受賞。舞台から地域、福祉まで、音楽を社会のために活かす活動を続けています。

上海城市交響楽団(Shanghai City Symphony Orchestra / SCSO)
上海城市交響楽団(Shanghai City Symphony Orchestra / SCSO)は、2005年に指揮者・曹鵬氏と娘の曹暁霞(石渡小夏)氏が創設した、中国本土初のアマチュア交響楽団です。学生オーケストラの指導に長年携わってきた曹鵬氏が、「卒業後も音楽を続けたい」という教え子たちの声に応えて創設されました。現在、医師・弁護士・企業人、そして多くの外国人市民が参加し、「音楽で社会に奉仕する」という理念のもと、地域に根ざした文化活動を続けています。
創立当初は練習場も楽器もない状態から始まりましたが、音楽を愛する市民が集まり、半年後には慈善演奏会を開催。現在では、毎週の定期練習、公共ホールでの演奏、学校・高齢者施設・刑務所でのアウトリーチなど、年間200回を超える公益活動を展開しています。
特に自閉症児支援プロジェクト「Angel Music Salon」は代表的な取り組みで、200名以上のボランティアが音楽を通じて子どもたちの成長を支援。子どもたちは演奏活動や「Love Classroom」「Love Coffee」などの社会参加プログラムを通じて大きく変化し、海外公演にも参加しています。
また、市民・学生・青少年の三層で構成された教育システムにより、若い世代の育成にも力を注ぎ、国際交流公演も多数実施。2010年上海万博では、26か国1500名による「歓喜の歌」合同演奏を成功させました。
音楽を通じて社会包摂と文化交流を推進するSCSOは、上海を代表する市民オーケストラとして地域と世界をつなぐ架け橋となっています。



